2024 02/28 ふだんの授業
ひなまつりの祝い菓子「金花糖」
今日の昼間部 和菓子本科2年生が実習で取り組んでいたのは、料理菓子と呼ばれるジャンルの製品「金花糖」です。和菓子でアメというと有平糖や金平糖などがありますが、この金花糖も古くから愛されている砂糖菓子の一つです。
上新粉を捏ね上げてつくった生地で型を取り、上白糖と水を煮詰めてつくる金花糖を流し込み、さまざまなカタチにつくりあげていきます。
金花糖は、江戸時代に西日本を中心に、有平糖を模してつくられたとされています。そのころは主君への献上品でしたが、明治時代になると庶民にも広がり、結婚式の引出物や祝い菓子などとして用いられてきました。
現在でも、北陸・金沢などではひなまつりの祝い菓子として親しまれているそうです。洋菓子のアメよりも低い温度で煮詰めているので、口溶けの良い上品な味わいなんですが、飾り終えた後は砕いてそのまま楽しんだり、料理で上白糖の代わりとして入れたりするそうです。
今回はさざえやあわびなどの貝殻から型を取ったので、貝の内側の色合いに合わせて、青や紫色に着色したアメでつくっていました。いろいろなもので型を取ることができるので、そのまま製品としてつくるだけでなく飾り菓子としても応用できる技術ですよね。
さらに今回は黒い塗の盆の上に、砕いたカルメラなどとともに「盆景菓子」として飾りつけて海のイメージを表現していました。お店のディスプレイなどにもいいかもしれませんね。
先日の交換授業で学んだ洋菓子のアメ細工とは異なる細工のテクニックです。工芸菓子とともに、将来さまざまな場面でアレンジしていってくれたらと思います。