2023 10/23 ふだんの授業
お茶席などにもつかわれる干菓子もつくっていきます
昼間部 和菓子本科1年生では、さまざまなジャンルのベーシックな製品づくりを実際につくって勉強していきます。最近取り組んでいたのは、半生菓子とも呼ばれるかわいらしい小さな一口サイズの干菓子です。春夏秋冬の季節感を大切につくられ、お茶席などにもつかわれます。
その名の通り表面は乾いていても芯はやわらかい状態ですが、保存性も良く創意工夫次第でいろいろ表現できます。その反面、塩梅をとるのが難しく均一な製品に仕上げるのが大変なお菓子でもあります。
寒天で固められた寒氷(かんごおり)、煮詰めを強くした錦玉羹を流し固めて型で抜き、表面を乾燥させた艶干錦玉(つやぼしきんぎょく)、錦玉羹に味甚粉を加えてつくる味甚羹(みじんかん)、錦玉液に泡立てた卵白を混ぜて固める鳳瑞(ほうずい)、日本独自の砂糖で風味と香りの良い和三盆の打ち菓子、餡に摺り蜜の糖衣をかけて表面を糖化させた石衣(いしごろも)などなど、この干菓子に分類されるお菓子だけでも本当にいろいろな種類があるんですよ。
一つひとつ手間も時間もかかるため、取り扱うお菓子屋さんも少なくなってきていますが、和菓子を専門的に学ぶ学生たちにはぜひ抑えておいて欲しいお菓子ばかりです。本物をつくる経験を積み重ねていき、和菓子職人としての自信につなげていってもらえたらと思います。