2020 11/25 ふだんの授業
季節の移ろいをお菓子で表現する
和菓子本科2年生では、こなし生地をつかって「寒椿」をテーマにした上生菓子に取り組んでいました。
こなし生地は、関東ではあまり馴染みがないかもしれませんが、京都や関西地方でよく使われる素材です。白餡に粉類、砂糖を加えて蒸し上げてから、充分に揉みこなしてから使用するので、そこから"こなし"という名がついたとされています。白餡に求肥を練り込んだ練切とは異なり、もっちりとした歯切れのよい食感が特徴です。
今回は4種類の違ったデザインで寒椿を表現して、小豆餡、つぶ餡、黄味餡、抹茶餡を包んでいます。見た目の美しさはもちろん、それぞれに違う味わいも楽しめるんですよ。
程良い粘りがあるので成形はしやすいのですが、乾燥しやすいため練切と同様に手早く作業を進めていかなければなりません。
技術の修得ももちろん大切ですが、花鳥風月や季節の移ろいに対する感覚や美しさを感じるセンスも一緒に磨いていきましょう。