2011 04/15
和菓子ヒストリー『柏餅』
もうすぐ5月、端午の節句ですね。
「柏餅」は、端午の節句に食べられる代表的なものです。
その背景には「柏の葉は新芽が出るまで古い葉を落とさないことから、家系が絶えない」という願いが込められています。「カシワ」という名は「かしき葉」または「こしき葉」の略で、昔はお米を蒸すのに蒸篭やこしきを使い、その下敷きにするための広い葉だったことからそう呼ばれるようになったようです。
大昔には丈夫であることから食器としても利用されていました。
しかし、「柏餅」自体は比較的新しい和菓子で、江戸時代の寛永年間の時期につくられはじめていたようです。
柏の葉には独特の香りがあり、これで餅を蒸すと香りが移って、とてもおいしいものです。
柏餅に使う葉は、採ってから陰干しをし、使う時に熱湯につけて戻して使います。
最近は、柏の葉に似せたビニール製ものもありますが、あの独特の香りはありません。
「柏餅」には小豆餡と味噌餡がありますが、葉の表と裏で餡の区別をしたり、餅自体に黄色や薄紅色の着色を施して見分けているところもあるようです。
もともと「柏餅」は比較的関東地方で良く食べられたり、地方によって形が異なります。
皆さんもぜひ、旅行などで地方に行かれた時は、和菓子屋さんに立ち寄ってみてはいかがですか?
地元の「柏餅」と比較してみるのも面白いと思いますよ。