2010 11/10
「響き」で和菓子を楽しむ 6.謡曲
〔謡曲〕
謡曲とは能の歌詞のことです。日本の古典芸能のひとつである能楽(おはやしに合わせて謡曲を歌いながら能面をかぶって舞う)の発表会(能会/能楽を演じること)の場で、演じる側が招待客へ和菓子をおみやげとして渡す習慣があります。
謡曲とは能の歌詞のことです。日本の古典芸能のひとつである能楽(おはやしに合わせて謡曲を歌いながら能面をかぶって舞う)の発表会(能会/能楽を演じること)の場で、演じる側が招待客へ和菓子をおみやげとして渡す習慣があります。
その和菓子は演じる題目に因んだ特注品であり、和菓子店は注文を受けるとその謡曲に登場するモチーフなどをデザインした方を自分でつくり、それをもとにお菓子を創作します。
このような和菓子は一般的に広まっているものではなく、技術者がその能会のためにつくる希少なものです。
また、地域によって特色を出すために、ある謡曲が発祥した地で店の商品にその名前をつけて売っていたりすることもあります。
○ 「弁慶」…弁慶で有名な橋が描かれていたりする。
○ 「菊慈童」…菊の露をのんで、700歳の長寿を保ったという慈童を主人公とした能。この名前がついた和菓子も、作り手により様々で、黒糖を使ったものや菊を形どったものなどいろいろある。