2024 02/19 ふだんの授業
日々の積み重ねが大切なんです
移ろう季節ごとにその時期ならではのお菓子が楽しめるのも、和菓子の魅力のひとつですよね。お客さまにお菓子を通して季節を感じてもらおうと、少し前倒ししてお菓子をつくってくれている和菓子屋さんも多くあります。
昼間部 和菓子本科1年生でも、ひなあられや草餅など、早くも春の到来を告げるお菓子が少しずつ登場しはじめました。
先日トライしていたのは、関東風の焼き皮製の桜餅です。平鍋と呼ばれる銅板を熱して焼き上げていく設備を使用してつくる製品です。さまざまなレシピがありますが、まずは基本の配合で、基本の製法でつくっていきます。
もっちりとした生地の食感に合わせて、少しやわらかめに調整した餡も事前に準備しておきます。桜の葉の香りがさわやかに春の訪れを感じさせてくれますよね。
生地の固さ調節や温度計のない平鍋の温度管理、生地を掬って流していくどらさじの扱い方、焼き上がりのタイミングを見計らうポイントなど、このシンプルなお菓子の中にもレシピには書かれていないような細かな注意点がたくさんあります。
のちのちレシピを見返したときにちゃんと思い出せるように、微妙なニュアンスや感覚を自分の言葉でまとめておくことも欠かせません。技術を自分のものにするためには、その自分で経験したからこその日々の積み重ねが大切なんです。
時には失敗することもありますが、その失敗を経験して、そこから学んでいけるのも学生だからこそできる特権です。実習の中で身体の五感を研ぎ澄ませながら、和菓子づくりには欠すことのできない塩梅の感覚を向上させていきましょう!