日々の和菓子づくりにおいて使用している素材が、どのように栽培・収穫されているのかを知ることは、職人にとってとても大切なことです。
そこで昼間部 和菓子本科2年生では、大納言小豆の産地である京都・丹波に出向いて、収穫体験を行なう研修旅行を授業の中で展開しています。今年も先週10/18から3泊4日のスケジュールで行ってきました。
丹波大納言の歴史や育成について学び、生産者の生の声を聴き、実際の収穫をお手伝いさせていただく貴重な機会です。こういったご時世ですので、参加者全員にPCR検査を行ない個々の感染対策も徹底した上で、大きな圃場で間隔を広げて作業を体験させていただきました。
霧の深い朝早くから、ずっと屈んだまま熟した莢だけを選別しての手摘み作業は想像以上に大変なもの。でもこの作業も長い長い工程のほんの一部でしかありません。
圃場ではこんな風に、まだ少し早い莢と熟した莢とが混ざっています。機械で一気に収穫してしまうと、まだ収穫には少し早い莢も一緒に刈り取ってしまうことになるので、出来るだけ熟した莢だけを選んで手で収穫していきます。
さまざまな工程を経て収穫される素材があるからこそ、自分たちは和菓子づくりの勉強ができるのです。どんなに素晴らしい技術を持っていても、生産者の方々がつくってくださる素材がなければ、おいしいお菓子をつくることは出来ませんよね。
一つのお菓子をつくるために、どれだけ多くの方々の時間と労力が必要となるのか。改めて素材に対する感謝の想い、素材を使うことのできる喜びを、学生たち一人ひとりが肌で感じることができたのではないかと思います。
京都市内の菓子店を回り、京菓子の歴史を学んだり、原材料メーカーの工場や道具店、寺院・神社の参拝などの時間も設けました。
今回の研修にあたり、農家のみなさまや原材料メーカーの方など、本当にたくさんの方々が惜しみなく協力してくださいました。すべてが学生たちにとって貴重な経験となりました。この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。