2010 05/13
「響き」で和菓子を楽しむ 1.植物
植物、つまり四季と和菓子が深い関わりを持つ理由のひとつとして、日本人が農耕民族であったことが挙げられます。農耕が人々の生活を支えた次代、人々は毎日田畑で働き、生きるため、生活のために神に豊作を祈願していました。例えば、「花見」という習慣がありますが、元々は“神が里に降りてきて桜の木に宿るために花が咲く”と信じられており、木の根元に供え物(菓子や料理)をして、神と人々がそれを共有し豊作を祈ったのが始まりです。
このように、四季は日本人の生活そのものだったため、和菓子だけでなく茶道や華道などの日本文化は“季節を演出する”という優雅な特徴を持つようになったのです。
〔和菓子に表現される代表的な植物〕
形や色彩は、どのような素材を使いどのように表現してもいいので、そこが技術者の個性になります。
主に使われる素材は“練切”“金団”“錦玉羹”などです。
あなただったらどんな植物をどのように表現しますか?
あなただったらどんな植物をどのように表現しますか?
● 春…桜、桃、牡丹、藤、あやめ、菜の花、卯の花、花菖蒲など
● 夏…紫陽花、ほおづき、撫子、青楓、朝顔など
● 秋…萩、桔梗、菊、柿、銀杏、紅葉など
● 冬…椿、さざんか、万両(赤い実のなる植物)、水仙など
○ 正月…松、竹、梅など
正月は特別な時期のため、和菓子の世界では特に抜き出して取り上げられます。
