文化と芸術の都フランス・パリから日本文化の発信を行なう、パリ日本文化会館からの依頼を受けて、本校和菓子科卒業生たちが上生菓子の実演喫茶を行なう「Salon de thé wagashi」が開催されました!
希望してくれた和菓子科の卒業生たちとともに、今回は洋菓子科・パン科の学生も数名参加。本校和菓子科 小林 紀夫 先生・長谷川 献 先生が引率して、久しぶりにフランスの地に降り立ちました。コロナ禍において長い期間実施できずにいたこのパリ研修も、今回でもう7回目、実に2019年3月以来の開催です。
フランスでは他の日本文化とともに以前にも増して和菓子に対する関心が高まっており、小さなお子さまから年配の方まで、幅広い年齢層の方々に受け入れられています。それを裏付けるように、今回の開催に際しても、現地の方々から本当にたくさんの問い合わせや申し込みがあったようです。
3/17(日)一日限りのイベントではありますが、その大きな期待にお応えできるよう、今回は1月に行なった本校のオープンイベント「菓子祭」において好評いただいた上生菓子のデザインを8種類、中に包む餡も定番の小豆こし餡だけでなくオレンジ餡やイチゴミルク餡など5種類のバリエーションを、ほぼそのままご用意していきました。
和菓子科の卒業生たちが目の前で上生菓子を仕上げて、洋菓子科・パン科の卒業生でお抹茶とお土産を準備。お客さまに和菓子のおいしさとともに、目の前でつくる工程も楽しんでいただく実演喫茶スタイルです。フランス語は話せなくとも、それぞれがコミュニケーションを楽しみながら、充実した時間を過ごすことができたようです。
自分たちがこれまで2年間学んできた和菓子が、果たしてどれくらい受け入れていただけるものなのか。実施前には、期待と同じくらい不安が入り混じっていた卒業生も多かったと思いますが、その心配が取り越し苦労であったと肌で感じることのできる貴重な機会となったようです。
ひとつのお菓子を、本当に大事そうに丁寧に時間をかけて召し上がってくれていた方もいたそうです。「和菓子」が世界の「wagashi」に...それはもうそう遠くはない、すぐそこに迫った未来として感じられたのではないかと思います。
今回の開催を前に表敬訪問に伺った在フランス日本大使館には、2月の本校70周年式典にも駆けつけてくれたパリ在住の卒業生 村田 崇徳 さん(写真上右:第1部和菓子本科・第2部洋菓子専科1999年卒)も同行してくれました。
駐フランス日本国特命全権大使には、日本の国花でもある菊をモチーフにした上生菓子づくりに挑戦していただいたんですよ。
日本文化会館での実演喫茶当日には、フランス・ストラスブールで和菓子店 Usagiya Maison Alsacienne de Wagashi を営むカスパー・シャルロットさん(写真下左:第1部和菓子本科2014年卒)も、後輩たちの応援に駆けつけてくれました!
開催を本当に楽しみにしてくださっていた現地スタッフや来場してくださった230名を越えるお客さまのおかげで、今回のイベントも無事大盛況のうちに終えることができました。自分たちの肌で直接感じたこの経験は、今後職人としての人生においても大きな糧となることは間違いありません。本校卒業生たちの今後の活躍がますます楽しみです!