先週10/24(火)から27(金)の期間、昼間部 和菓子本科2年生が3泊4日で京都・丹波大納言収穫研修に行ってきました。
初日はJAの方々にご協力いただき、実際に収穫させていただく圃場の見学や丹波大納言の説明、京菓子原材料専門店 美濃与 の方から、丹波大納言の歴史や農家さんの現状などを伺いました。
ここ丹波で収穫される大納言は、粒も大きく風味も豊かな最上級とされています。しかし、その生産には長い生育期間がかかる上、手作業が多くなるため生産農家も少なくなってきているのが現状です。そのため、ほとんどが市場には流通しない、幻の小豆ともいわれているくらい非常に希少なものなんです。さらに追い打ちをかけるように、生産農家の方々の高齢化の問題も待ったナシの状態にあります。
そしていよいよ翌日は収穫体験です!早朝からお昼頃まで、生産者の方々に教えていたえだきながら、ともに収穫のお手伝いをさせていただきました。朝早いうちから作業を行なうのも、実はちゃんとした理由があるんですよ。
普段お菓子をつくる際の立ち仕事とは違い、腰をかがめて一つひとつの莢の成熟具合を確認しながら手摘みしていきます。この日は幸いお天気には恵まれましたが、半日とはいえとても重労働です。
圃場には、まだ少し収穫には早い莢と熟した莢とが混在しています。これを機械で一気に収穫してしまうと、早熟の莢も一緒に刈り取ってしまうので、出来るだけ手で熟した莢だけを選んで収穫していきます。
今回学生たちが体験させていただいたのは、ほんの半日だけ。それも予定していた分のほとんどをまだまだ採り切れていない状況でした。
もちろんですが、農作業は半日の収穫だけではありません。一年を通じて自然を相手に行なっていきます。それを考えただけでも、とてつもなく大変なお仕事であることはわかりますよね。しかしながら、少しだけとはいえ今回学生たちも体験させていただいたことで、大変さだけではなく収穫できた喜びも感じることができたようです。
その日の午後には、生産者の方々との座談会も開催していただけました。普段、実習の中で原材料として使用させていただいても、それらの素材がどのようにこの地で育まれてきたのか、収穫するまでにどんなご苦労があるのか、今日体験したこと以外のお話を直接お伺いできる貴重な機会となったようです。
私たちがお菓子をつくることができるのも、原材料を生産してくださる方々があってこそ。学生たちも、そのありがたみを改めて肌で感じられる体験ができたようです。
3日目には京都市内に移動して、お菓子屋さんはもちろん木型や器なども扱う道具店、さらには寺院神社・美術館も巡り、古くから都として栄えてきた京都ならではの京菓子の歴史にも触れてきたようです。
小さなお菓子の中に、生産者の方々への感謝の想いも込めて、お客さまに提供できるようになりたいですよね。これからも共に、そんな和菓子職人を目指して邁進していきましょう!