本校 昼間部パン本科2年生の3名が、11/26(水)にインテックス大阪で開催された[技能五輪国際大会 上海大会]パン製造職種部門 最終選考会に出場しました!
この大会は"技術のオリンピック"と呼ばれる技能五輪国際大会の日本代表選手としてふさわしい若手パン職人の選抜・育成を目的に開催されているもので、今回は来年2026年に上海で開催される国際大会のU-22日本代表選手を決める、とても大切な選考会なんです。世界への夢を胸に、本校の在学生たちが今持てる技術と知識のすべてをかけて臨んだ、真剣な競技の様子をレポートします!
今回、この最終選考会に果敢にもチャレンジしたのは、菅沼 咲輝 さん(左側)、曽我 実由佳 さん(中央)、原田 桜 さん(右側)の3名の在学生たちです。一次審査を通過してこの最終選考会に出場した選手12名中、現役の学生は本校の3名のみ!他9名の選手は、他校の先生やすでにプロの現場で活躍されている若手パン職人の方々ばかりです。最終選考会に同じ学校から3名もの選手が選出されただけでも、実はとってもスゴイことなんですよ。審査員の方々も、まだ現場に立つ前の学生たちが一体どれだけできるのか注目してくださっている様子でした。
競技は前日11/25(火)の事前準備日を経て 、翌26(水)に各個人それぞれ6時間にわたって行われました。 会場は「FABEX関西2025」のイベントスペース内、偶然にも本校在学生の3名は同じブース内で作業を行なうことに。プロのパン職人の方々をはじめ、一般の方もたくさん来場されて注目されている中で、3名の在学生たちは集中力を切らすことなく、黙々とそれぞれのパンづくりに取り組んでいました。
選手たちが挑んだ課題は、バゲット、クロワッサン&パン・オ・ショコラ、編みパン、飾りパンの4種類のパンづくり。バゲットはクープ(切り込み)の数や、長さ、重さまで、寸分の狂いも許されない、基本中の基本にして最も難しいパンです。折り込み生地でつくるのは、クロワッサンとパン・オ・ショコラ。折り込み生地は温度管理や生地の状態を見極める精度が、出来上がりのサクサク食感を左右するデリケートなパンです。
そして、パン職人の腕が問われるといわれている編みパンは、正確な成形技術が求められる見た目にも美しいパンです。発酵後の生地の膨らみを想定して絶妙な力加減で編み込んでいかなければなりません。パンの芸術作品のような飾りパンは「麦の穂のブーケ」というテーマに沿った細工を、白生地と黒生地をつかって天板上に制作し、その創造性や芸術性も評価されました。
使用できる設備も普段の実習室とは違うものが揃う慣れない環境で、6時間という制限時間の中、パン生地の発酵管理、ミキシング作業、成形、そして焼き上げまでを、段取り良く、効率的に進めていく力が求められます。これはまさに、将来パン職人として働くために欠かせない「現場の力」そのものです。
ブーケの飾りパンのデザイン考案のために花屋さんにアドバイスを求めにいったり、授業のない土日や夏休みなどを利用して、この日のために試行錯誤しながら何度も何度も課題の練習を積み重ねてきた3人でしたが、極度の緊張感が漂う本番はやはり練習通りにはいかないものです。想定外だったことも多くあり、かなり苦戦している様子でしたが、3名ともしっかりと制限時間をオーバーすることなく課題の製品をすべてつくり上げてくれました!
どんな状況下であっても時間通りに普段通りの作業を行なっていくこと。それはとっても難しいことですが、もっとも大事なことでもあるんです。試食も含めた厳正な審査の末、残念ながら日本代表選手の座は他の選手となりましたが、曽我 実由佳さんが第3位にあたる銅賞を獲得してくれました!
「もっとやれることがあったのではないか、もっとできたはずだ...」と、作業終了直後から悔しさを滲ませていた3人ですが、この大会を通して得ることができた経験、プレッシャーに打ち勝つ力、より良いパンづくりを目指してこの大会のために臨んできた熱い思いは、必ず今後のパン職人としての人生において大きな糧となってくれるはずです。東京製菓学校では、「好き」を「仕事」にする夢を追いかける、若き職人たちをこれからも全力で応援していきます!

















